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乳腺・甲状腺外来

医師のご紹介

大阪大学乳腺内分泌外科教授
島津 研三 医師

学歴・職歴

大阪大学医学部医学科卒業
東京都立駒込病院外科
大阪厚生年金病院乳腺内分泌外科
大阪大学大学院外科学講座乳腺内分泌外科 助教
大阪大学大学院外科学講座乳腺内分泌外科 講師
大阪大学大学院外科学講座乳腺内分泌外科 教授

専門領域

乳癌、甲状腺疾患、センチネルリンパ節生検、内視鏡手術

専門領域

日本乳癌学会 専門医
マンモグラフィー読影資格(AS)
日本外科学会 専門医
日本内分泌外科 専門医
医学博士

副院長 外科戸田 和史 医師

略歴

徳島大学医学部 卒業
徳島大学付属病院(第二外科)
香川県立津田病院
高知市立市民病院
健康保険鳴門病院
国立療養所徳島病院
愛媛県立新居浜病院
町立半田病院
高知県農協総合病院
国立善通寺病院
兼松病院

乳腺・甲状腺外来のご紹介

生活習慣の欧米化などの理由から、最近日本では乳がんになる女性が急速に増えております。乳がんは胃腸や肺などの体の中にできるがんと違い、体の表面にできるがんのため自分で比較的早い時期に発見できることがあります。そして早期に発見することによって高い生存率が期待できるがんでもあります。

以下のような症状があった場合、できるだけ早く乳腺・甲状腺外来を受診してください。(以下のような症状があっても、多くの場合は良性なので、過度の心配は無用です)また症状のない方でも、1年1回の検診をお奨めいたします。当院では、毎週土曜日に乳腺・甲状腺外来を行っております。

乳腺の病気について

乳腺の病気

乳腺疾患の症状
  • 乳房のしこり
  • 乳頭からの分泌物
  • 乳房、乳頭の変形、ひきつれ
  • 乳房、乳頭の皮膚の赤み、ただれ
  • 乳房の痛み
対象となる疾患
  • 乳癌
  • 乳腺症
  • 乳腺のう胞
  • 線維腺腫
  • 乳管内乳頭腫
  • 葉状腫瘍(まれに悪性)
  • 乳腺炎
自己健診について

入浴時などに、親指以外の4本の指の腹を使い、乳房全体に滑らせるように触れていきます。鏡の前で胸をすくめたり、反らせたりして乳房の変形や陥凹を見つけます。生理のある方は生理開始10日目ごろの腫れや痛みのない時期に、閉経後の方は毎月何日と日を決めて行うとよいでしょう。早期発見のためには、定期的な乳がん検診と月一回の自己検診が重要です。

検査方法
一般的な検査
1. 視触診
基本的な検査ですが、必要不可欠な検査です。
触診でのみ、発見される乳癌もあります。
2. マンモグラフィ-
乳房専用のX線撮影
透明の圧迫板で乳房をはさみ、薄く引き延ばして撮影
しこりとして触れないごく早期の乳がんの発見が可能(「微細石灰化」として映し出す)
撮影にかかる時間は約15分から20分
3. 超音波検査
超音波の物質への反射の仕方の違いを利用して検査します。検査に伴う痛みなどがありません。
20代から30代の乳腺が発達した方の場合、マンモグラフィーで写せない病変が発見されることがあります。
穿刺吸引細胞診(病理検査)

触診、超音波検査等でしこりが認められる場合に行います。
しこりに細い注射針を刺し吸引し、しこりの中の細胞を採取し、顕微鏡で見て良性か悪性かを調べる検査です。約1週間で結果が分かります。

針生検(コアニードルバイオプシー)

触診、超音波検査、マンモグラフィーにて悪性を疑うにもかかわらず、穿刺吸引細胞診で悪性を確定できないときや、それとは逆に触診、超音波検査、マンモグラフィーにて良性を疑っているのに、穿刺吸引細胞診で悪性を疑う結果がでたときに行います。局所麻酔をして鉛筆の芯ほどの太さの針で組織を採取します。約1週間で結果が分かります。

乳癌の手術について

<当院の基本方針>
当院では、美容面を重視した乳房温存手術を行っています。また、どうしても切除範囲が広くなる場合や、美しい形を保てない切除になる場合、形成外科専門医(大阪大学附属病院 形成外科より医師派遣)による乳房再建も可能です。
診断がついてから、できるだけ早く手術をすることを心がけています。2~3週間以内に手術が可能です。

乳房温存手術 腫瘤の縁から約2cm程度正常乳腺をつけて円状に切り取る円状部分切除、あるいは腫瘤を含めて乳腺を楔状に切り取る扇状部分切除があります。乳房・乳頭は通常温存します。乳房内再発を減少させる目的で、手術後に温存された乳房に対して、原則として放射線治療を行ないます。(放射線治療は25~30回に分け、連続して5~6週間にわたり行ないますが、治療時間は1回数分です。)
乳房温存手術は、以下のような条件を満たす時可能です。

1. 3cm以下の腫瘍(良好な整容性が保てれば4cmまで)
2. 画像検査上、広範なひろがりがない
3. 複数の領域にわたって腫瘍が多発していない
(整容性を保ったうえで腫瘍をすべて完全に切除できる場合は適応となります)
4. 温存された乳房に対する放射線治療が可能などです。
胸筋温存乳房切除術 乳房温存手術の適応を満たさなかった場合に行われます。 当院では、大胸筋・小胸筋とも温存したオッケンクロスの手術を行っています。

リンパ節の切除を容易にするために小胸筋を切除するペイティの手術をする場合もあります。
一期的乳房再建術 乳房温存手術の適応を満たさないが、どうしても乳房を喪失したくないという希望がある場合や、広範囲の部分切除が必要で乳房の変形が予測される場合などに、形成外科と協力し乳房同時再建を行うことができます。背中やお腹の筋肉、あるいはインプラント(人工物)と使う再建方法があります。
センチネルリンパ節
生検について
センチネルリンパ節とは、腫瘍が最初に転移をきたすリンパ節です。センチネルリンパ節を見つけだし(生検)、検査して転移がないことを確認できれば、それ以上のリンパ節に転移がないと考えられますので、腋窩リンパ節の完全切除(郭清)を省略できます。それによって、腋窩リンパ節郭清後の後遺症(上肢のむくみ、腋の下のしびれ、上肢の運動制限など)を軽減することが可能になります。
化学療法(抗がん剤治療)について

乳がんは化学療法に比較的よく反応するがんなので、いろいろな病状の患者さま(手術前・手術後・再発)に対し化学療法が行われます。化学療法には施行時期やその目的により以下のような種類があります。

手術前の化学療法
(術前化学療法)
乳がんの悪性度や、大きさによっては抗がん剤治療を手術の前に行うことがあります。大きな乳がんが抗がん剤治療によって小さくなって温存手術が可能になる、抗がん剤治療の効果が分かるなどの利点があります。
CE療法(エンドキサン、ファルモルビシン)、CEF療法(エンドキサン、ファルモルビシン、5-FU)、タキサン系薬剤(タキソテール、タキソール)などの薬剤を使用します。
手術後の化学療法
(術後補助化学療法)
再発を予防するために、手術後に行う化学療法です。

乳がんを顕微鏡で調べた大きさや悪性度、リンパ節転移の個数、ホルモン受容体やハーツー受容体の有無、増殖因子(Ki67)の強弱、血管やリンパ管へのがんの進行の有無などから再発のリスクを評価し、化学療法を行うかどうかや、その化学療法の内容を決定します。

CE療法(エンドキサン、ファルモルビシン)、CEF療法(エンドキサン、ファルモルビシン、5-FU)、TC療法(タキソテール、エンドキサン)、タキソール毎週投与などの投与方法があります。
再発時の化学療法 再発に対する抗がん剤治療です。

CE療法あるいはCEF療法、タキサン系薬剤、ゼローダあるいはTS-1(5-FU系経口抗がん剤)、ハラヴェン、ナベルビン、カンプトこれらの薬剤の併用など。抗体療法としてパクリタキセルに併用するアバスチンがあります。
HER2(ハーツー)
陽性乳癌の化学療法
再発に対する抗がん剤治療です。

CE療法あるいはCEF療法、タキサン系薬剤、ゼローダあるいはTS-1(5-FU系経口抗がん剤)、ハラヴェン、ナベルビン、カンプトこれらの薬剤の併用など。抗体療法としてパクリタキセルに併用するアバスチンがあります。
ホルモン(内分泌)療法

乳がんの約70%はホルモン受容体(エストロゲンレセプター、プロゲステロンレセプター)を持っていて、ホルモン治療が有効です。ホルモン治療は化学療法に比べて副作用が少なく、生活の質を落とさず治療ができます。手術前や手術後の再発予防の治療あるいは再発後の治療に使用します。
ホルモン療法には以下の種類の薬剤があります。

抗エストロゲン剤 乳がん細胞のエストロゲン受容体に作用して、女性ホルモンの働きをなくします。
*ノルバデックス(タモキシフェン)、*フェアストン、フェソロデックス(フルベストラント)
LH-RHアゴニスト 閉経前の患者さまに使い、卵巣の機能を押さえて血液中の女性ホルモンの量を減らします。
*リュープリン、*ゾラデックス
アロマターゼ阻害剤 閉経後の患者さまに用い、閉経後の女性ホルモンの量をさらに少なくします。
* アリミデックス、* アロマシン、* フェマーラ
プロゲステロン製剤 プロゲステロン製剤を大量に投与することにより乳がん細胞の増殖を押さえます。
*ヒスロンH
放射線照射について

乳がんは放射線の効果が高いとがんと考えられています。

手術後の放射線照射 乳房温存手術の場合、原則として術後に温存された乳房に放射線照射を行います。これによって、乳房内の再発を半分以下に抑えることができます。
再発時の放射線照射 再発した部位(骨、リンパ節、軟部組織、脳など)に対して、痛みなどの症状をやわらげる目的で、放射線照射を行うことがあります。

甲状腺の病気について

甲状腺の病気は大きく分けて二つあります。
一つ目は、甲状腺が作るホルモンの異常による病気
二つ目は、甲状腺にできるしこり(腫瘍)による病気です。

甲状腺ホルモンの異常による病気
①バセドウ病(甲状腺機能亢進症) 
甲状腺ホルモンが異常に多いために、動悸、息切れ、頻脈、異常発汗、全身倦怠感、突眼、体重減少、手のふるえ、下痢、暑さに耐えられない、などの症状が出ます。若い女性に多い病気です。
治療には 1)抗甲状腺剤の内服 2)アイソトープ 3)手術がありますが、多くの場合、まず 1)抗甲状腺剤の内服から治療を開始します。

  1. 抗甲状腺剤(メルカゾール、チウラジール)の内服
    寛解率は40%。甲状腺機能が改善するまでに約6週間。
    甲状腺機能亢進症状が正常化しても甲状腺に対する抗体が正常化するまでは内服必要。

チウラジールは、妊婦でも内服可能。

メルカゾール、チウラジールの副作用

  1. 大変まれですが、白血球が減ることがあります。高熱とともにのどが痛むことがあれば、内服を中止し、 すぐに当院を受診してください。白血球を測定します。このようなことは飲み始めて3ヶ月以内、あるい はしばらく休薬した後に再開したときにおこることが多いです。
  2. 発疹を伴ったかゆみが出たら内服を中止し、早めに受診してください。
  3. 白目が黄色くなったり、尿の色が急に濃くなるなどの黄疸の症状や、食欲不振、吐き気などの症状があれば、 肝機能障害の可能性があるのですぐ受診してください。
②橋本病(慢性甲状腺炎、甲状腺機能低下症)
甲状腺ホルモンが異常に少ないために、全身倦怠感、むくみ、寒がり、便秘、皮膚のかさつき、集中力の低下、脱毛などの症状が出ます。治療は甲状腺ホルモンの内服です。甲状腺ホルモンは内服量さえ適正であれば、副作用は殆どありません。
③亜急性甲状腺炎
しばしば発熱や感冒症状を伴い、頚部の痛みが出現します。 甲状腺の細胞が破壊され、一時的に多量の甲状腺ホルモンが血中に漏れ出て、それによる甲状腺機能亢進症状(動悸、暑がり、体重減少など)が出ることがある疾患です。症状が強い場合は消炎鎮痛剤やステロイドの内服が著効します。症状が治癒した後に、一過性甲状腺機能低下をきたすことがあります。
④無痛性甲状腺炎
亜急性甲状腺炎と同じで、何らかの原因(出産など)によって甲状腺の細胞が破壊され、一時的に多量の甲状腺ホルモンが血中に漏れ出て、それによる甲状腺機能亢進症状(動悸、暑がり、体重減少など)が出る疾患です。これらの症状は自然に治りますが、永続性の甲状腺機能低下症になってしまう方もいます。動悸がひどい場合にはβ遮断薬を使って症状を和らげることもあります。この病気は、血液中の甲状腺ホルモンの量だけでは、バセドウ病と区別がつきませんが、血液検査などで診断可能です。そのため、ヨード摂取率の検査が必要となります。甲状腺が壊れていますのでヨードがほとんど取り込まれません。また、甲状腺機能低下になれば、それがずっと続くこともありますので、定期的なホルモン値の検査が必要です。
甲状腺にできるしこり(腫瘍)による病気
①濾胞腺腫
良性腫瘍ですが、濾胞癌との区別が難しく、3cmを超えるものは手術をお奨めします。
②のう胞
液体がたまった袋が甲状腺の中にあるという状態です。基本的に経過観察でよいですが、大きくなった場合に中の液体を抜くことがあります。
③腺腫様甲状腺腫
①の腫瘍が甲状腺内に多発している状態です。基本的に経過観察でよいです。
④甲状腺癌
症状はのどのしこり。声が嗄れることや飲み込むときの違和感で発見される。4:1で女性に多い。
乳頭癌
甲状腺癌の約80%を占めます。予後良好。10年生存率85%以上。乳頭がんのうち90%は性質のおとなしいタイプ(低危険度)なのですが、10%は遠隔転移や浸潤をする悪性度の高い(高危険度)ものもあります。リンパ節によく転移をしますが、予後には影響ありません。
濾胞癌
頻度は10~15%。結節は比較的やわらかい。肺などに血行性転移が多い。
髄様癌
家族性発症が見られる。多発性内分泌腺腫症の中の一疾患として発症することがあり、特に褐色細胞腫の合併に注意が必要です。CEA、カルシトニンが上昇します。
未分化癌
頻度は3~5%。比較的高齢者に多く、甲状腺腫が急速に増大します。極めて悪性であり、予後不良です。
検査方法
一般的な検査
1. 視触診
甲状腺は頚部の前面に位置し、通常は触れません。甲状腺を触れるということ自体が重要な所見です。ご自分で甲状腺を触れることができる場合には、受診が必要です。
2. 超音波検査
超音波の物質への反射の仕方の違いを利用して検査します。甲状腺の病気を診断するうえで最も優れている検査です。腫瘍が認められる多くの場合で、下記の穿刺吸引細胞診を行います。
穿刺吸引細胞診

超音波検査で確認しながら腫瘍に細い針を刺して細胞を採取し、細胞の良悪を顕微鏡で判定する検査です。約1週間で結果が分かります。

ヨード摂取率検査

状腺は、ヨードを材料にして甲状腺ホルモンを合成していますが、この検査は甲状腺がヨードを取り込む性質を利用して行う検査です。甲状腺の活動度が判定でき、主に甲状腺機能亢進症(バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎)の鑑別に有用です。24時間後の摂取率では、バセドウ病では異常高値となり、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎では3%以下の低い値になります(正常値 10~40%)。検査の実施前には1週間のヨード制限が必要です。放射線を用いるため、妊婦や授乳中の女性は施行できませんので注意が必要です。